土木公務員は「安定していて勝ち組」と言われることがあります。
一方で、「やめとけ」という声も少なくありません。
これから進路を選ぶ人にとっては、どっちが本当なのか分からないはずです。
僕は現在、土木公務員として働いています。
その立場から、メリットもデメリットも包み隠さず書きます。
“なんとなく”で選んで後悔してほしくないからです。
土木公務員が「勝ち組」と言われる理由
① 生活設計がしやすい“安定”
確かに、土木業界全体が人手不足なので
「民間=不安定」という時代でもありません。
ただ、公務員の強みは
・給与テーブルが明確
・昇給の見通しが立つ
・ボーナスも安定
・極端な減収リスクが低い
という“見通しの立てやすさ”。
爆発力はない。
でも、大きく崩れにくい。
この「ブレなさ」を安心と感じる人は多いと思います。
② 福利厚生が整っている
正直、派手ではありません。
でも堅実。
- 有給は比較的取りやすい
- 育休・産休制度が整っている
- 退職金制度が明確
- 各種手当も安定支給
家族を持ったときにありがたみを実感するタイプの強さです。
若いときより、30代以降で効いてくる。
③ 転勤がほぼなく、働きたいエリアで働ける
これ、かなり大きい。
国家公務員や大手ゼネコンのように
全国転勤があるわけではありません。
基本はその自治体内。
地元に腰を据えて働ける。
・親の近くに住める
・子どもの環境を変えずに済む
・持ち家のリスクが低い
「生活の安定」という意味ではかなり強い要素です。
じゃあなぜ「やめとけ」と言われるのか?
ここからが本題です。
① 若手のうちは給料がそこまで高くない
正直に言うと、
若いうちはそこまで高くありません。
生活はできる。
でも「余裕がある」わけでもない。
民間のゼネコンやコンサルに行った同期の話を聞くと、
「ちょっと差あるな」と思います。
もちろん年数が経てば上がっていきます。
でも、
・若いうちから多く稼ぎたい
・努力をすぐ年収に反映させたい
というタイプには物足りないと思います。
土木公務員の給料についてはこちらで詳しくまとめています↓

② 異動で専門性が途切れる
土木職でも、数年おきに異動があります。
道路
河川
下水
農林
都市計画
幅広く経験できる反面、
「この分野を極めたい」と思っても、離れることがある。
スペシャリストというより、ゼネラリスト寄り。
これをプラスと見るか、マイナスと見るか。
ここは価値観が分かれます。
③ やりたい分野に必ずしも携われるわけではない
これ、意外と大きいです。
配属は希望通りとは限りません。
「設計をやりたい」
「現場監督をやりたい」
「防災に関わりたい」
思いがあっても、人事は全体最適で決まります。
やりたくない業務に数年携わる可能性もある。
ここがストレスになる人はいます。
④ モチベーション維持が難しい時期がある
部署によっては、
・ルーティン業務中心
・調整業務が多い
・成果が数字で見えにくい
そんな期間もあります。
毎日が刺激的、という仕事ではありません。
また、これはあくまで個人的な印象ですが、
組織として“安定”を重視する文化が強い分、
積極的に挑戦する人と、現状維持を好む人の差が大きいと感じることもあります。
周囲に流されてしまうと、成長スピードはゆるやかになります。
逆に、自分で学び続ける姿勢がないと、
環境任せでは伸びにくい面もあると思います。
「常に成長実感が欲しい」
「周囲も高い熱量で働いてほしい」
そんなタイプの人には、物足りなく感じる可能性があります。
結論:勝ち組かどうかは“価値観次第”
土木公務員は、
・安定
・社会的信用
・堅実なキャリア
を求める人にはかなり相性がいい。
でも、
・若いうちにガンガン稼ぎたい
・成果で大きく報酬を伸ばしたい
・仕事に熱中したい
という人には物足りないかもしれません。
個人的な本音
仕事選びは、思っている以上に大事だと思っています。
人生の大部分の時間を仕事に使うからです。
正直に言うと、僕自身はそこまで深く考えずに就活をしていました。
だからこそ、これから進路を選ぶ人には、
「なんとなく」ではなく、しっかり考えてほしいと思っています。
とはいえ、今の自分の状況に後悔はしていません。
公務員として働く中で、得られた経験も多いですし、
この仕事に誇りもあります。
ただ、もし本気で「民間か公務員か」で迷っているなら、
個人的には一度民間に行ってみるのもアリだと思っています。
若いうちは身軽です。
家族もいない。
守るものも少ない。
だからこそ、
・バリバリ働く
・全国転勤を経験する
・ハードな現場で揉まれる
そういった経験は、確実に自分の糧になります。
さらに、よく言われるのが
「民間 → 公務員」の方が入りやすいケースが多い
という点です。
理由は主に3つあります。
① 公務員試験は年齢制限があるが、若いうちなら再挑戦しやすい
② 民間経験者採用(社会人枠)がある自治体も多い
③ 実務経験を評価されやすい(特に土木は即戦力になりやすい)
一方で、公務員から民間に行く場合は、
年齢や専門性、企業文化への適応などが問われやすく、
ハードルが高く感じる人もいます。
人は、年月が経てば考え方も変わります。
20代前半で「安定が一番」と思っていても、
30代で「もっと挑戦したい」と思うかもしれない。
逆もあります。
だからこそ、
“今の自分の価値観だけで、未来を固定しすぎないこと”
は大切だと思っています。
僕は今、公務員として働いています。
でも、未来の選択肢を狭めないために、
資格の勉強も始めました。
今の環境でできることを積み上げながら、
いつでも動ける状態をつくっておく。
それが、今の僕なりの答えです。
まとめ
土木公務員は勝ち組なのか。
正直に言うと、
「安定」「福利厚生」「転勤が少ない」という点では、かなり恵まれた職種だと思います。
生活設計は立てやすいし、地元に腰を据えて働ける安心感もある。
一方で、
・若いうちは給料が高いわけではない
・やりたい分野に必ずしも携われるわけではない
・部署によっては成長実感が薄い時期もある
そんな現実もあります。
だから、
“勝ち組かどうか”は他人が決めるものではなく、
自分の価値観次第。
安定を強みと感じる人もいれば、
挑戦の少なさを物足りなく感じる人もいる。
どちらが正解という話ではありません。
大事なのは、
なんとなく選ぶのではなく、
「自分で考えて選ぶこと」。
そして、どの道を選んでも、
未来の選択肢を完全に閉ざさない努力をすること。
僕自身、公務員として働きながらも、
資格取得の勉強を始めました。
今の環境に後悔はしていません。
でも、将来の自分の可能性も残しておきたい。
それが、今の僕のスタンスです。
土木公務員を目指す人も、
民間で挑戦したい人も、
ぜひ一度、自分の価値観と向き合ってみてください。
この記事が、その判断材料のひとつになれば嬉しいです。

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